こんにちは!第66期行灯大賞の「紅葉狩」を制作した、66th3-4です。
この記事では、制作メンバーの生の声を記録するために、複数の執筆者をとる形式にしています。
楽しんで見ていただけると幸いです!
全体の流れ、スケジュール
・クラス発表~制作開始
・制作開始~行灯行列
各部門ごとの記録
2.1 材料調達について
2.2 針金班より
…and more!
行灯好きで交流があった行灯責任者と総責任者で連絡を取り合い、クラス内で行灯を盛んにやっていた人探しを始めました。
行灯責任者の旧友のLINEのプロフィール画像に、綺麗な傘の写真が使われていたのを見つけて、ぜひ行灯にも取り入れたいと思うようになります。
実は、デザインは裏から決まったのです。
アークスでテーマ探し。
テーマを決める際にイメージしていたことは、
でした。
そこで、”○○(植物名) 伝説” というワードで検索をかけまくり、”紅葉伝説”を発見。
このときに、女から鬼へと移り変わっていく場面を表現してみたい!と考えました。
<余談>当初、花木蘭という中国の伝説も候補でした。
紅葉というテーマの可能性と天秤にかけて、花木蘭は没となりました。
責任者が決定。
仮決定だった”紅葉伝説”は、その後1週間くらい少人数の有志で案を詰め、クラスの人たちからも承認を得て、正式にメインテーマとなりました。
行灯部門内でもだいたいの役割を
という感じで分けましたが、みんな割と色々な役割を兼任していたような気がします。
3-4の特色は、電飾をメイン2人で動かしたということと、色塗り部隊の人数が多く、かつ話し合いがいちばん活発だったことでしょうか。
ろうを使いたい!という希望があったので、ろうの専門を1人設けました。
このあたりから責任者中心に、図を描いたり、資料(主に過去のねぶた画像)を集めたりするようになります。
前期中間試験まで続きました。
また、近所にホームセンターがある人たちにお願いして、材料の値段の調査を始めます。
なんとなくのデザインが固まってきたので、行灯責任者が粘土をこねはじめます。
色も付けました。
SketchUp初心者、しかも支柱未経験者が行ったので、初期案で必要な木材を計算したところ、34本というとんでもない数になりました…。
3年生は、経験者が支柱計画に参加したほうがいいと思います。最終的には28本に落ち着きました。
女の移りかわるイメージを明確にするために、2つめの粘土模型を制作。
青森でねぶた制作をしている人に、Twitter上で色塗りについて尋ねたところ、きれいなろうのつけ方や、霧吹きでの色の付け方を教えていただきました。このアドバイスが無かったら、私たちの行灯は全く違ったものになっていたでしょう。
また、色塗りの中でも特にろうについて不安な点が多かったので、先輩や秋田の人にろうの付け方についてたくさん質問をしていました。本当に色々な方にお世話になりました。
CGをもとに、細い木材を使って支柱模型をつくりました。
※ここでは、制作の際のイメージをなるべくそのままに記すために、月~土を第○週として扱います。
第5週までありますが、実際の制作期間は約4週間です。
6/12(金) 行灯制作開始!快晴!
テント建て一番乗り!事前にホームセンターやネットで購入していた物を学校に持ち込みました。
その後、
に分かれて作業しました。
細金を切りすぎて、最後には結局余りました。
土台を作り終え、できるだけ支柱をたてました。
もちろん初日ですべて建て終えるのを目標にしましたが、正直厳しいです(笑)
スピードは一番速かったですが、結局初日に建てることができたのは半分くらいでした。
6/13(土)
15時、予定していた支柱をほぼ建て終えます。
ソケットを支柱に取り付け始めました。
あまり資料がありません…
6/19(金)
顔(左の女、鬼、男。真ん中の女は未着手)と炎の概形ができたので、予定位置に持ち上げてみて、位置の確認をしました。
この週の半ばあたりで、「このままのスピードだと間に合わないのではないか?」という声があがったので、残り2週の計画をたてることになりました。
6/26(金) 行灯会議@アークス
主要メンバーで、おおよそのスケジュールを決めます。
スケジュールをたてる際に話題になったことは、
* 「ここができないとあそこができない」という問題(例:人の位置関係の問題で同時に作業できない箇所が出てくる、このパーツができないと取り付けられない)
* 顔の取り付けが最難関
* 人員の配置
でした。
下のように表にしてみるとわかりやすいです(個人の名前はぼかしてあります)
また「予定をたてるには時期が遅すぎるのではないか?」とも思われますが、人の得意分野や作業の所要時間などはある程度作業が進まないとわからないことなので、この時期がちょうどよかったのではないかなと思います。
結果的に、スケジュール通りの日程には進まなかったですが、進捗状況や当面の目標について確認でき、マンネリ解消につながったので、この会議はとても意味のあるものでした。
前週に決めた「4つの顔を取り付ける」という目標に向けて作業の毎日でした。予定していた日よりも遅れていたため、常に「このままでは間に合わない」というプレッシャーのなか作業していました。
7/4(土) 予定の2日遅れでやっと鬼の顔を取り付けました。
↓その日の作業終わりのときの様子
最終週は、作業内容や役割を伝えやすくするために、毎日作業終了後に、その日に完了したことと次の日にやることをまとめながら過ごしました。
金曜の午前には完成していることを目標にしていました。
7/6(月) 真ん中の女(中女)取り付け、右側のもこもこ紙貼り開始
右側の部分(通称もこもこ)のグラデーションが綺麗で、テンションとモチベーションが上がりました。
7/7(火) 第2回行灯会議@アークス
今後の全日作業3日分の作業の確認をしました。
7/8(水) 全顔取り付け完了、背面の紅葉の背景を描きはじめる
紅葉が綺麗でテンションとモチベーションが上がりました(2回目。笑)背面が癒しスポットと化しました。
7/9(木) 行灯行列前日
結構焦っていました。この日の終了時に、まだ足も炎も剣も取り付けられていませんでした。
裏はいい感じです。
また、行列当日の掛け声を変わったものにしたい、という声が以前からあがっていたので、「童謡の『紅葉』を歌いながら歩こう!」という案の下、汽笛隊を決めて歌詞カードを作りました。
7/10(金) 行灯行列当日!晴天!
作業が残っている箇所が真ん中に集まっていたので、人が密集しての作業になってしまい、最終日でも予定を変更しながら作業を進めていきました。ミニ行灯も作ろうとしましたが、人員不足で断念しました。
また、行列時にみんなで歌うために、紅葉の音楽を延々流しながら作業していました。
テント半解体時、クラス外の人には見えていなかった背面があらわになったときの、周囲のざわめきは本当にうれしかったです…!
写真撮影時(18時頃)には女子全員浴衣に着替えていました。この時点でほとんど完成していたはずです。行列開始時まで、細かい場所の手直しをしていました。浴衣を着ながら、脚立のいちばん上に座って作業をする色塗り女子もいました(笑)
行灯行列は言うまでもなく、最高でした。
抑えられる費用はできるだけ抑えるために、いかに安く材料を手に入れるかを考えました。
最終的な決算は 90,887円 と、3年生の行灯としては比較的高くなく制作できたと思っています。
針金部門、特に背面を担当していました。
また、主要メンバーの中で唯一の男子でもあったため、男子とのパイプ役になろうと心がけて行動していました。僕自身1年次は学プロチーフで行灯に関わり始めたのは2年次からだったので、この役職はプレッシャーでもありまた楽しみでもありました。
まず自身のおおまかな作業工程を説明しようと思います。
大まかな形を作ったあと、色塗り班にろう塗りや柄合わせをお願いするためにそれぞれの格子をナンバリングして奉書紙に写していきました。背面の針金が完成しきる前に完成させていたため傘はしばらく放置になり、格子が崩れてしまう原因となってしまいました。
準備が整ったためまず傘を取り付けました。その後、すでに手のひらの紙貼りまで終わっていた左手の取り付けに取り掛かったのですがこれが一苦労。男の手の周りの赤い部分(僕たちはもこもこと呼んでいました。中はとても狭かった)の中に入って細金止めから紙貼りまでをこなさなければならず、またもこもこも当然ただの平面ではないので作業に相当の苦労を要しました。
必ず直面する問題だと思います。特に3-4は顔が4つ、つまりかなり多くの隙間がうまれました。当然すべてがきれいな格子ではないため、細金で仮格子をつくり紙を貼る方法を多用していました。
他クラスより進捗はよかったですがそれでもギリギリでした。毎晩LINEで翌日の行程を綿密に計画していました。ミニ行灯を作ろうという話も出ていましたが、時間的にかないませんでした。
次に傘づくりについて。規格との兼ね合いで傘の厚みは約15cm、直径約1m15cmほど。この状況でどう立体感をだしていくかが課題でした。そこで用いた手法がこの2つです。
1. それぞれの傘に微妙に角度をつけました。これはただ単に平面に並べるだけでは面白くないかなという思いもありましたが。正直これは微妙だったと思います。規格との兼ね合いで小さな角度しかつけられなかったため、かえって形が歪なように見えたかもしれません。
2. 傘を紙ごと重ねました。これは行灯史でも珍しいことだったと思います。右下の赤と青の傘の間が一番わかりやすいと思いますが、色が透けて紫がかっているようになっています。こっちは割とうまくいったと思っています。
傘づくりでの反省点はやはり形が崩れてしまったことでしょうか。人をはじめ動物とは異なり、無機質的なものには正確な針金が要求されます。前述の通り形が崩れたしまったこと、またそもそも大きな円をつくることの難しさ、この2つの問題をうまく乗り切れなかったことは後悔しています。
(傘の形がゆがんでいるのはそこまで気にしていなかった笑 by行灯責任者)
最後に後輩たちへのメッセージを少し。行灯は関わった多くの人にとって一生物の思い出になると思います。その思い出を少しでも良いものにするために、意見を出し合ってみんなが納得いくような行灯を作ってください。賞も大切かもしれませんが、作りたかった行灯を作れたという達成感が何より大事だと思います。言い争いもその思いがあってこそのものです。みなさんにとって行灯が最高の思い出になることを願っています。
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編集履歴
2016-04-24 当ページ開設 全体の流れ,材料調達について,針金班より更新