第67期行灯大賞「夏陣」を製作した3-1です。かなり長くなってしまいましたが、雑談などをふまえて、僕たちの青春全てを書き残しています。楽しんでもらえると幸いです。
名前:夏陣(なつのじん)
製作期間:6月10日~7月8日 実際の活動 25日間
費用:101996円(クラス徴収金2700円)
電球:141個
材料:[斡旋販売] 針金,ネジ,刷毛以外のもの(ボンド3缶)→35587円 [ジョイフルエーケー屯田店] 針金#12…18㎏ #14…30㎏ #20…5㎏→19780円 [ペーパーミツヤマ] 奉書紙1000枚→9000円 [ホーマック] ネジ,刷毛など→3000円くらい
針金は結局65㎏くらい使いました。#12,#14,#20に関してはそれぞれ21㎏,33㎏,7㎏買っておけば良かったと思いました。(1,2年生はこんなに使いません、3年でも多い方だと思います)
・行灯責任者2人(1人は1,2年で全行,学プロの責任者をしていた←棚を作ったり、テントの水抜き、買い出しなど主に雑用。クラスの雰囲気を常によくする点で必要不可欠な存在)
・もう1人の行灯責任者(軽音があり行責にはならなかったが、技術力,情熱,発想力,土台・支柱の点で最高の信頼を寄せていた)
・電飾2人(2年で金,銀賞を取ったクラスの電飾担当。僕は当日まで2人が何をしているのかわからなかった)
・針金17人(部活で途中から.途中から全行にまわった人も含む)(針金をしていた人が後半は後塗りをしていました)
・デザイン,柄1人
計23人(だいたい21人くらいで活動)
1組の特徴である後塗りのおかげで初めから色塗りに人を割くことはしませんでした。
デザイン,柄担当の人がマーブリングで雲の下地など単色部分を1人で製作。
始めた頃は賛否両論でした。正直、情報をここまで公開して、目立ちまくったあげく大賞が取れなかったらどうしようか。とも考えましたが最終的には色々な方に褒めていただき、良い試みだったのではないかと思います。1,2年生にはぜひ続いてもらいたいです‼︎
画像もTwitterのほうにたくさんあげています。
3-1の行責は2人とも3年で初めて行責になったのですが、最初はなる気が無く、先輩方のように行灯が出来る人を探すといったことは全くしてませんでした。そのため行責はなかなか決まらなくて、その場のノリで行責になったと言っても過言ではありません。
行責になったからには大賞を何が何でも勝ち取ってやる!と思い、「行灯職人への道」「ねぶた」の画像を本当にたくさん漁りました。自分のお気に入りの写真はスクショしてねぶたアルバムを作りました。ちなみに500枚くらいあると思います。そして、札駅のヨドバシカメラのマクドナルドで1日中ペンと紙を持って構図を考えました。
1組は5人くらいの人に構図を考えてきてもらいクラスの多数決で決めたのですが、僕の構図は選ばれなく、デザイン講習会講師のGくんの構図に決定しました。
正直悔しくて、悔しくて帰り道で電飾担当のFくんの前で泣いてましたね笑
次の日学校に行くともう1人の行責であるOくんが多数決の数え間違いをしていたみたいで、結局、僕の構図になりました。「涙を返せ!!」っていう感じです笑
1組は予選で敗退し、その日のお昼には行灯メンバーで1,2年で作った事があるものや、土台・支柱、電飾関係の話を進めました。(顔を担当してもらう人には特に画像をたくさん見て、イメージを持って欲しいということを伝えました。ちなみに、真田の顔は北村麻子さん作品に憧れてそのまま作らせていただきました。)
また、このころには構図を書き直し、家で粘土をこねくり回しました。
土台・支柱の構想が完成したのもこの時期です。
56thの洛水の女神のような粘土を目標としましたが、到底敵わなく、1組は絵をたくさん書く事でイメージを膨らませていきました。
僕が学年で1番行灯が好きだろうと思っている、3年8組のHくんと一緒に講師をしました。
講習会は基本的に行灯病の人が講師をします。1,2年の人は部活など忙しいと思いますが楽しいと思うので来年も参加してあげてください。そして、質問をしましょう。講師も質問されると嬉しいですし、質問する事でイメージが具体的になってくると思います。
1組は行灯ノートを作り、行灯メンバーで交換ノートをしていました。
このノートは後にたくさんの感動を呼び、最高の思い出の詰まった1冊になります。
僕自身何度も涙しそうになりました。それにメンバーがそれぞれ何を考え、何をどうしたいかなどという普通ならば行責に届きにくいことも知ることができます。
行責は技術力はもちろん、みんなに行灯楽しい!っていかに思わせられるかが大事だと思います。
そのため、僕は誰よりも口が動いていて、バカな事を言ってました。
それと、あだ名をつけまくりましたね。例 ダスキン・ドラゴンハート(おこ)・いかちゃん・くつ下←全て女子のあだ名 (笑)
とにかく、コミュニケーションは大事です。行灯は1人で作ろうとすると破滅します。メンバーを最高にするのも、最低にするのも行責の腕次第です。手先の器用な人、不器用な人、マイペースだけど確かな技術力のある人など、その人に合った仕事を割り振りしてください!
1組は毎日疲れましたが最高に楽しかったです。
ビックリッキーさんからビールケース20個を貸していただきました。
廃材、電球、レセップの取り合いが他クラスと勃発しました。
1組は廃材を25本申請するという偉業を成し遂げ、周りのクラスから白い目で見られました。(結局11本に落ち着きました)
電球、レセップはあればあるほどいいです。6組は1万3000円分(?)の電球を買ったという話を聞きましたが、一方で1組は11個割ってしまったにも関わらず、最終的には他クラスにいくつか譲る位には余っていました。
この頃から会議がたくさんあります。
また、学校祭は生徒会なしで絶対に良いものにはなりません。特に3年生。相手は2年生です。3年生としての余裕を見せるくらいがちょうど良いと思います。
ここで、話が若干それますが題材について話したいと思います
行灯部門の得点は67thだと校長先生、副校長先生、学年主任の先生方の計5人の、それぞれの持ち点100点の平均で決定します。行灯はOGOBの先輩方が審査員ではありません。いわゆる、いかに審査員にウケるかどうか。これに尽きると思います。なので1組は審査員の先生方の年齢、性別、醸し出す雰囲気から真田丸を見ているのではないか??という結論に行き着きました。(実際どうだったかはわかりません。)それが真田丸を題材にした主な理由です。題材を決めてからは真田の名に恥じない作品を作ろうと、地理クラスの1組が真田の歴史について各々調べ始めました。
それに64th~66thにかけて壁(甲乙人さんが書いてくださった1組の講評を読んでください)ブームが到来していると思いました。
校長先生はまだ赴任されてから3年ほどで、壁が好きなのではないかと(勝手に)思い、6組のような立体にするか否かで迷いましたが結局壁を選びました。
また、僕ら67thは66thの紅葉狩に迫力と美しさの両立という点で多大な影響を受けています。正直紅葉という題材が羨ましかったです。しかし、2年連続紅葉は審査員の目が気になってしまい僕達は桜を題材に組み込みたいと思いました。そこで真田幸村の大坂夏の陣で散りゆく姿を、短くも輝き、散っていく桜に重ね合わせました。甲乙人さんの講評にも書いてくださったのですが、桜と真田の因果関係が無理矢理すぎてわかりづらくなってしまった事が反省点です。
また、壁が2年連続大賞を取ったことは来年にも影響が少なからずあると思います。しかし、甲乙人さんの講評にもあったように壁はデメリットも大きいです。僕自身、ここ最近では60thのようなカッコイイ行灯よりも綺麗な行灯が増えているように感じ、個人的な意見ですが、カッコイイ行灯が見たいと思っています。来年はどのような作品が誕生するのか、今から楽しみで仕方がありません。期待しています!!
行灯テントは全体の3番目に建て終わりました。
土台・支柱を土曜の3時には建て終わり、女子は5㎏の#20を切り、電飾組はレセップを作り始めました。
針金は上から下にかけて作りたかったので、男子は月曜から土曜にかけて龍の胴体部分を作り、顔や手、女の顔や龍など、それぞれの担当部分も作り始めました。
ここで僕が各担当のメンバーに言っていたのが、ねぶたの職人さんたちが作った画像をたくさん見てどんなものを作りたいのかのイメージだけは持っておいて欲しいということでした。やはり、技術には差がありますから時にはやり直しなども必要なのかもしれませんが僕自身やり直し!と言われると腹がたつ性格なので、やり直しとボツはほとんど出しませんでした。やり直しになる手前で一言こうすれば上手くいくということを伝えるだけで出来は相当変わってきます。行責は全体を常に見ているのが大切です。
龍の胴体が出来たら土曜日には8人の人を割いて龍の胴体に囲まれた内側の格子をとにかくとめました。これだけで見た目が変わるので気持ち的に楽になります。
この頃から他のクラスより針金は進んでいるように見えてきますが、行灯メンバーの間では後塗りをしなくてはならないのに、遅すぎるのではないか?という声が聞こえてきます。
そこからスピードを徐々に上げ23日には6月10日から作り始めていた、真田の手や、槍など各パーツが完成し始めました。
この頃からある問題に直面します。
紙も貼っていない針金が3mの高さにあることで色塗りが出来ないことです。
そこでクラスメイトの家から天井180㎝ほどの脚立3つを調達しました。
また、晴れた日にはビールケースから行灯を下ろし、地面に直置きすることで女子でも龍の胴体を描けるようにしました。後塗りに挑戦したいクラスは脚立を持っている人を探しておいたほうがいいかもしれません。天井140cmなどでは太刀打ちできません。
また、針金は2日の時点で9割は終わっており、紙貼りはみんなで一気に進め、本番3日前(振替休日の前日)には7割近く終わっていました。
7月6日に3時間かけて僕は顔の墨入れをしました。
また、ロウ書きをするのに、教室が1階なので窓のそばに机と電気コンロを用意して靴を履いたまま外でロウを溶かして、テントまで走る、ということを15往復くらいしていました。(3年生の1~4組はこのような行動に関して運が良く、かなりの時間短縮になります)
ここでロウ書きをする際の注意点ですが、生徒会でもコンロと鍋の貸し出しはしていますが、蓋がないため教室でロウ付けをせずに僕らのように外でロウ書きをする場合、すぐに冷めて使えなくなってしまいます。そのため800円くらいの蓋つきの鍋を1組は買いました。また、筆はすこし扱いを間違えるだけで使えなくなってしまうので、100円ショップで3本入りの筆などをたくさん買っておくといいと思います。
この頃から紙貼りは真田の髪以外完成に近づいていき、9割近く終わります。
7月8日(晴)7時15分に皆集合して、行灯をビールケースから下ろし、色塗りの仕上げに入りました。
写真を見てもらえるとわかると思いますが、真っ白です。他のクラスはすでに幾何学模様を貼っていたので焦りました。急ピッチで色塗りを進め、真田の髪の紙貼りも1時くらいには終わらせ、墨入れに入りました。(龍の胴体は当日まで鱗にする予定でしたが、クリアファイルの幾何学模様には敵わないと3人目の行灯責任者が提案しこのようなデザインになりました)
炎、龍の胴体を描いた女子はとにかくセンスが良く、最後は任せっきりになる場面もありました。
やはり後塗りはリスクがあります。彼女がいなかったら大賞は無かったと僕自身思うほど色塗りは重要な割に得意不得意がはっきり分かれます。
1組には運良く彼女のような人がいてくれましたが、来年からは構想の時点で色塗りのできる人というのを探しておく必要があると思います。 (後塗りをする場合)
また、行灯を直置きしているので中に入って電飾作業などをしていると自分の意思だけでは外に出れません。そんな中でも最後の最後まで中で電飾の最終確認、光漏れの修正をしてくれた男子に感謝です。ありがとう。
また、1組は生徒会と仲が良かったので開会式にはみんなで出席して、実行委員長を盛り上げたいと思っていました。6時30分にはだいたいの作業が終了して、無事開会式には間に合いました。
7時20分まで最後の仕上げです。
7時に1度電球をつけてみて、光漏れを全員で塞ぎました。
(言い忘れていましたが、1組は電球を針金に直接つけていて、支柱には全体の半分ほどしか付いていません。そのため龍、真田の針金が完成するまで電球を取り付けることができなく、全体を光らせられたのは7月6日くらいだったと思います。それも、紙貼りがほとんど終わった状態での点灯でした。しかし、電飾の2人を信頼していたので不安感はさほどありませんでした。ちょっっとはあった…笑笑)
いざ出発!!!
あの1時間は最高に楽しかったです。1ヶ月かけて製作した行灯が光る喜びは言葉に出来ません。
Twitter での反応が本当に嬉しかったです。最初は賛否両論だった札幌北行灯3年1組のアカウントに多くの人が素晴らしかった!!というコメントをしてくださりました。ありがとうございます!!
何より、このアカウントの存在によって地域の方、先輩方との繋がりを強く感じることができました。
1組は大賞をいただきました。大賞以上に仲間と過ごした日々は僕の宝物で、一生の思い出です。それでもやはり、大賞という形で行灯を締めくくることができたのは本当に嬉しかったです。
行灯は最高です。何が最高って仲間が本当に最高です。1ヶ月間無我夢中で意見を交換し合い、笑い、考え、最後には泣ける。そんな学校祭はなかなかないと思います。行灯は1人では作ることは出来なく、協力が絶対的に必要である一方で個人の力も絶対的に必要です。
一筋縄ではいかない行灯を通して僕たちは成長させてもらうことができました。
そのような経験を後輩にもこれからしていってもらいたいです。今回の記事が役に立つかどうかはわかりません。しかし、必死になって頑張れば最高に楽しい時間を過ごせることはわかってもらえたと思います。
僕たちは来年からもずっと行灯を楽しみにしています。
最後まで見ていただきありがとうございました!!