・はじめに
・製作期間前
・製作中
・行灯行列当日、そしてその後
・たわごと
名前:鎧騎業炎ノ狐ヲ断ツ
製作期間:4週間ほど
費用:10~11万ほど
電球:150個ぐらい
材料:一括購入で買ったもの
その他に塗料(ターナーネオカラー、大)10缶、(ターナーネオカラー、中)2缶、 ガーゼ、奉書紙500枚ほど、スポンジ、針金#10
クラスが変わり、委員会決めの場。二年時の担任に「来年もやるんでしょ?」と言われ「いやーどうでしょうねー」とか答えておきながらいざ責任者決めで真っ先に手を挙げて僕の今年の行灯が始まりました。
奉書紙を全面に使うこと、少し濃いめの色を使うことは決まりましたが、そこから苦労しました。なにせ物体が五体あるので、各々の色合いと全体のバランスを考えるのが大変です。色に関しては三年やった今でも全く分かりません。ただ、薄い色だと電飾は映えますが迫力に欠けるな、というのはずっと意識していました。ねぶたのような迫力が欲しかったのです。
配色については、スキャナーで上の下絵を画像データにして、パソコンの画像編集ソフトを使い、Web色見本から色コードを打ち込んでは”塗りつぶし”機能で塗って見比べていく・・・という作業をしてました。こういうのはパソコンが使えると便利だと思います。最終決定案です。
柄も綺麗さと作りやすさの具合が難しく、過去のねぶた、デザインサイトなどとにらめっこして、シンプルにしました。その代わり、ろうを使おうと決めました。
またグラデーションを使うことも決め、エアブラシを確保し、紙に吹いて、電球を当てるなどの実験もしながら使う場所を決めていきました。
のこぎり、電動ドライバー、金づちがクラスとして、ラジオペンチ類は個人としてあればいいな、と思っていたのですが、クラスの一人の家から大量に工具(電動ドライバー×3、ワイヤーカッタ―×2、ディスクグラインダー、さしがね、はては作業用蛍光灯、墨壺やその他名前もわからぬ工具たちまで)貸していただきました。本当に助かりました。
木材が届き次第、どんどんけがいていき、のこぎり部隊に渡していくパイプライン方式でやっていました。
これが最速だと思います。切ったそばからすぐに建てていくのですが、誰かさんがこんな設計をしたため、初日には建て終われませんでした。
最初の方は雨が続いた記憶があります。僕らは、二面行灯を作っていたので、普通とは違い、鳥居をまず先にほとんど完成させる計画だったので、針金が終わる前に、少しずつですが3日目から紙を貼り始めました。紙を貼れたということは、きっとこの頃にすでに色塗りを開始していたようです。最初の一週間はほとんど鳥居を作っていた気がします。
(6/17)
(6/21)
三日目、発表の日。恥ずかしながら自信はありました。銀、金と名前が呼ばれず。緊張が高まります。
大賞。三年七組!!
やっぱりか、とまず僕は思いました。後半、七組の出来には少しマズイな、見た目だけなら負けてるかもな、と思ってました。それでも二面の迫力で押せると思っていましたが・・・でも仕方ありません。上手かったもん。
ただ、烈火賞、同窓会賞のどちらにも呼ばれなかったときは、悔しさより驚きがありました。「そんなひどかったかな。」なんとか旭川にはいけました。
片付けの日は、ぼーっとしていました。写真を撮って、お別れです。企画めいっぱいに作っていたため、首をまた取り外しました。それでも、鳥居がつかえたため、トラックの荷台を閉めると
ばきっ みんな「うあああああああああああああーーーーー!!!!」
トラックのおじちゃん、苦笑。僕も、苦笑。だってこればっかりはどうしようもないじゃないですか。ただ、大賞の七組が僕らより小さいトラックに押し込まれていたのはちょっとかわいそうでした。
三年間責任者をして感じたのは、一つは、責任者はあくまで場を統括する人です。作業するよりは人の能力を見て、上手く配置することに頭を使いましょう。盲点だったのは、他人の能力を測れても自分を測るのはとても難しかった、という点です。僕自身が、仕事を抱え過ぎて(全体指示・鳥居・武者針金・馬色塗り・全ての電飾・顔)いくつかが雑になってしまいました。物事を俯瞰で捉える頭があるといいですね。
二つ目は、計画をしっかり立てましょう。予定通りに進むことはまずありませんが、次にやることがわかっているのといないのでは大違いです。なにもこんなとこまで・・・と思うところまで計画しましょう。行灯の計画期間は一年間あります。作業ができない中で、机上の会議だけというのはとてもつらいですがみっちり立てましょう。
今、行灯を退いて感じていることがあって、それは
作る側の思うすごい行灯と、見る側がすごいと思う行灯は、少しちがうのではないか
ということです。作る側としては、ここ数年続いている、多体づくり(たくさん物体を作ること、の意味で捉えてください、僕の造語です)の流れがあり、どれだけ多いか、量的な迫力がすごさの基準にあり、またそこに作り手としての喜びを感じるような気がします。見る側としては、どこかで誰か(たしか甲乙人さん?)がおっしゃっていたように、一体で、丁寧な、質的に迫力がある行灯がすごいな、と思う感じがします。いざ自分が作業をやるかやらないかでこうも気持ちが変わるとは思いませんでした。ただ、どちらがいいとか悪いとかは分かりません。相反する作り方ですが行灯として魅力があることは同じです。以上です。ながながと書き連ねてしまいました。どのクラスも、大賞目指してがんばってください。目玉もう少し大きく描けばよかったなあ・・・