2015/03/26 00:06:56 の更新
2015/03/26 00:06:56 の更新 | ||
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1 | この記事は最近多数派になっている「多体作り」についての考察です。 | |
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1 | 3 | 多体作りという言葉については[65th3-8の記録](/article/86)から拝借いたしました。定義は「3体以上人や動物を作ること」とします。人や動物以外の、単体で行灯のメインにはならないものは数えません。 |
2 | 多体傾向は多体作りの行灯がよしとされる傾向のことです。 | |
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4 | ここで書くことは甲乙人が65th北高祭終了後 Twitter に書いたこととと似ていますが、もう一度よく考え直してまとめたものになっています。また、もしかしたら私が以前どこかで書いたことと矛盾しているかもしれませんが、2015年1月現在ではこの意見が最新になっています。 | |
4 | 多体傾向は多体作りの行灯がよしとされる、または作られる傾向のことです。 | |
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6 | ここで書くことは甲乙人が65th北高祭終了後 Twitter で呟いたことに似ていますが、もう一度よく考え直してまとめたものになっています。また、もしかしたら私が以前どこかで書いたことと矛盾しているかもしれませんが、2015年1月現在ではこの意見が最新になっています。 | |
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7 | 9 | この記事で言いたいことまとめ |
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19 | 21 | 特に54thまでは夏休み後に学校祭をやっていました。夏休み中も作業期間だったみたいです。([遊び人さんの行灯戦歴](/article/38)と[御家人さんの行灯大賞のすすめ](/article/15)の記述から) |
20 | 22 | 55thからは現在と同様夏休み前になりましたが、今よりも長い作業期間でした。少なくとも自分が現役だった58th~60thの作業期間は5週間(かそれ以上)だったので、65thの4週間よりも1週間は長いです。 |
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22 | 24 | あともうひとつ重要なのが、これはけっこう昔の記事を見るとわかるのですが、パーツの持ち帰り作業が黙認という状況だったということです。 |
23 | 確か61stの後に非常に問題視されて今では完全に禁止されているので、これに関しては諦めてください。この話をわざわざ出して言いたいことは、昔は今よりもかなり多くの時間があり、そのおかげで出来ていたこともかなりあった、ということです。 | |
25 | これは確か61stの後に非常に問題視されて今では完全に禁止されています。この話をわざわざ出して言いたいことは、昔は今よりもかなり多くの時間があり、そのおかげで出来ていたこともかなりあった、ということです。 | |
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27 | 29 | さて、ここからは多体作りについての話です。 |
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29 | 31 | ギャラリーを見ればわかると思いますが、49thくらいまでは人1体が一般的で、それから59thまで人1体+動物1体が一般的に、そして60thから急に3体以上つくるクラスが多くなりました。 |
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31 | 私が一年生の頃、つまり58thの頃は、上述のとおり作業時間が多かったにも関わらず「人を二体作るのは最高難度」だと言われていました。最近では、1年生は1体、2年生は2体、3年生は3体作るのが普通、というのをどこかで聞いた気がします。 | |
33 | 私が一年生の頃、つまり58thの頃は、上述のとおり作業時間が多かったにも関わらず「人を二体作るのは最高難度」だと言われていました (要出典)。最近では、1年生は1体、2年生は2体、3年生は3体作るのが普通、というのをどこかで (現役生からかな?) 聞いた気がします。 | |
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33 | 35 | 実は青森ねぶたも同じような経緯をたどっています。昔は1体か2体をどーんと作るのが普通だったのですが、20年前(平成5年あたり)くらいからメインとなる物体も小道具も増えてきて、さらには見送り (裏側) にも前側のようなねぶたを作るようになりました。現在のねぶたでは4,5体は普通です。 |
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35 | 青森ねぶたではたくさんの物体・小道具を上手くまとめて迫力のある作品になっています (昔の方がいいという人も多いです) が、北高行灯ではいまいち完成度の低い、作りきれていない行灯が多いように思っています。 | |
37 | 青森ねぶたではたくさんの物体・小道具を上手くまとめて迫力のある作品になっています (昔のような大きいねぶたのほうがいいと言う人も多いです) が、北高行灯ではいまいち完成度の低い、作りきれていない行灯が多いように思っています。 | |
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38 | 40 | 多体にしてしまう心理 |
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41 | 作る側としてはつい色々詰め込んで多体作りにしてしまいがちです。ほとんど自分の経験からなんですが、その心理をいくつか上げてみます。 | |
43 | 作る側としてはつい色々詰め込んで多体作りにしてしまいがちです。ほとんど自分の経験からなんですが、その心理をいくつか挙げてみます。 | |
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43 | 45 | - メインとなるものを決めたあと、これでは寂しいんじゃないか負けるんじゃないかという不安から、ついいろいろ足してしまう |
44 | 46 | - ねぶたへのあこがれから、最近のねぶたの多体傾向を無条件にそのまま北高行灯にも取り入れてしまう |
45 | - 行灯が好きな人なら誰しも持っている、「一回これ作ってみたいな〜」という題材を、無理やりねじ込んでしまう | |
46 | - 構図がだいたい固まったあと (おそらく5月はじめ)、そこから中間テストまで時間がある分、ねぶたや過去の行灯を見ているうちに「これもいいな〜これもいいな〜」と目移りしてしまったり、「せっかくだったらこれも入れとくか〜」と、無駄にいろいろ加えてしまう | |
47 | - 行灯が好きな人なら誰しも持っている、「一回これ作ってみたいな」という題材を、無理やりねじ込んでしまう | |
48 | - 構図がだいたい固まったあと (おそらく5月はじめ)、そこから中間テストまで時間がある分、ねぶたや過去の行灯を見ているうちに「これもいいな、これもいいな」と目移りしてしまったり、「せっかくだったらこれも入れとくか」と、無駄にいろいろ加えてしまう | |
47 | 49 | - ただし一回冷静になって見なおしてみるということはとても重要 |
48 | 50 | - 空間が空いているとそこを埋めるために適当なものを追加してしまう |
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55 | 57 | |
56 | 58 | 多体作りのメリット・デメリット |
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58 | 60 | |
59 | ここで多体作りのメリットとデメリットについて上げてみたいと思います。 | |
61 | ここで恒例の多体作りのメリットとデメリットについて挙げてみたいと思います。 | |
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61 | 63 | [メリット] |
62 | 64 | |
63 | 65 | - 見た目豪華になる |
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75 | 77 | |
76 | 78 | [デメリット] |
77 | 79 | |
78 | 80 | - 作るのに時間がかかる |
79 | - 作業時間が豊富にあり人・動物が多くても2体だった昔でもギリギリなのに、作業時間が短い現在で多体作りを妥協せず最後まで作りきるのは不可能 | |
81 | - 作業時間が豊富にあり人・動物が多くても2体だった昔でもギリギリなのに、作業時間が短い現在で多体作りを妥協せず最後まで作りきるのは不可能だと思う | |
80 | 82 | - 結果的に全体の完成度が低くなったり、ギリギリまで作ることで事前審査による点数が入らなくなる |
81 | 83 | - (余談) 私が歴代最高の完成度だと思っている55th大賞は前日の時点で完成していたらしいです ([御家人トップトーク過去ログ](http://old.satsukita-andon.com/toptalk.html)の『57th行灯行列を振り返って』より) |
82 | 84 | - 一つ一つが小さくなる |
83 | 85 | - 迫力の低下につながる |
84 | - 小さくしない場合はどこかを隠さなければいけなくなり、躍動感がなくなってしまう | |
86 | - 小さくしない場合はどこか一部分 (例えば人間の下半身) を隠さなければいけなくなり、躍動感がなくなってしまう | |
85 | 87 | - 技術力の差が浮き彫りになる |
86 | 88 | - 普通は作業を複数人で分担するので、片方の顔は上手いのにもう片方の顔は下手という状況が起こりやすい |
87 | 89 | - 統一感のなさにつながる |
88 | 90 | - 欠点として見られやすい |
89 | 91 | - リスク分散のメリットの裏返し |
90 | 92 | - 観客の視線の移動が多くなる |
91 | 93 | - 見なければいけないものが多いと全体を理解するのに時間がかかる |
92 | 94 | - 観客・審査員は現役生が思うよりもじっくり行灯を見ることができない |
93 | 95 | - せっかく作ったのに見られていない・気付かれないということがある |
94 | - (Tips) 基本的に観客の視点ははじめの一点からあまり動かないと思ったほうがいいかもしれない (要検証) | |
96 | - 私が実際に行列を見ていて、せっかく上手く作れているのにその存在に気付かない、ということが数回あった | |
97 | - 基本的に観客の視点ははじめの一点 (だいたいが顔) からあまり動かないと思ったほうがいいかもしれない (要検証) | |
95 | 98 | - 全体の統一感のなさ・主題がわからなくなりがち |
96 | 99 | - 作りたいものを詰め込む形式で構図を決めると起こりやすい |
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173 | 176 | [](/files/images/fullsize/1420308248686-brightnessintensityblue.png) |
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175 | 178 | |
176 | この場合も明るいほうが大きく見えるんじゃないかと思います。 | |
179 | この場合も、明るい赤ほどではないにしろ明るいほうが大きく見えるんじゃないかと思います。 | |
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178 | 181 | デメリット |
179 | 182 | -------------- |
180 | 183 | |
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219 | 222 | - 潤筆・渇筆ともに使える |
220 | 223 | - 書き割りの技術にけっこう頼ることになるので |
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222 | 225 | |
223 | 厳しい……。 | |
224 | 226 | 半分満たせればいいかなと思いますが、それでも難しそうです。練習必須です。まぁ、これらは多体作りでも必要っちゃ必要なんですが…。 |
225 | 227 | |
226 | 228 | 要は、技術とセンスに自信があれば1体作りは完成度を高くしやすいけど、失敗すると微妙なものになってしまいやすいということです。個人的にはよく練られた構図ならそれでも多体作りよりいいと思っているんですけどね。判断は皆さんに任せます。 |
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