講評 |
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保証人
- 義経・静御前・龍・馬と要素が4つありますが、どれも成功していて素晴らしいです。
このように正面を向いている龍というのはあまり作られたことがないのですが、顔も上手く、よく挑戦したなと思いました。また、胴体のうねらせ方も不規則で、人物に巻き付いたりしていて、龍の躍動感が伝わってきました。これだけ胴体が長いのに、すべてのうろこにロウが使われていて、こだわりをすごく感じました。かなり大変だったと思います。
義経についてです。全体的にしっかり作られているのですが、兜が右側にしかないのが気になりました。また、刀で、紙が重なってしまっているのが見えてもったいなかったです。 馬ですが、茶色などの色にしていたら義経と被っていたかもしれないので、灰色にして正解だと思います。針金・色塗りも上手でした。
静御前は、義経の勇ましさに対して、上品で優美な様子を表現できていました。着物を近くで見ると、柄がかなり細かく、通常色塗りで使われるものではないもの(色鉛筆?)で描かれてあり、斬新でした。
人物の後ろ側も、柄が書かれるなどしっかり作られていてよかったです。もう少し高さを意識して作ると、大賞を狙えたのではないでしょうか。
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甲乙人
- こちらは立体感と迫力が素晴らしい作品です。通常は空間を埋めて大きく見せるということをするのですが、わざと物体同士の空間を空けることで、立体感を出しています。
写真だと少しわかりにくいのですが、龍が正面を向いていて、実際に行灯の真下で見たとき、上から襲い掛かってくるような迫力があります。また、龍の巻き付き具合がすさまじいです。あとは龍の尻尾まで作ったのはこれが初めてなのではないでしょうか?もし他にもあったらすみません。全身を入れるのは好きなので、とてもいいと思います。尻尾を入れるためには龍の胴体をそれなりの長さで確保しなければいけないので、その点も苦労したんではないかなと思います。馬もとてもいい感じですね!ねぶたをよく研究されているなと思いました。 色塗りは全体的に淡い感じできれいでした。ロール紙でしょうか?静御前の着物の柄だったり、ろう書きされている龍のウロコだったり、とてもきれいですね。 あと人間の肩の龍!めっちゃかっこいいですね。こういう絵を描けるようになりたい…。 さて、改善点としては、この行灯はちょっと背が小さく見えるので、改善したいところです。あとは立体感を重視しているとはいってももう少し空間充填率を上げたいです (特に上側)。安易に壁にしたくないという思いからこの構図になっているんじゃないかと思うので、壁なしで考えると、例えば龍の胴体をもう少し上側に持ってきたりだとかするといいのかなと思いました。前から龍の巻き付き具合があまり見えないのはもったいないですし。とはいえこれは去年灯雪会でやってみて激ムズだということはわかっているのですが……。このあたりうまいことできたら、もっとよくなるのではないかと思いました。
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