クラス 69th3年6組
タイトル 鳴神
金賞
紹介文
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講評
保証人
全体的にたくさんの色が使われているため、鮮やかで、力強さの中にも綺麗さがある行灯という印象を受けました。

まず、男性の顔がよかったです。龍を睨みつけていることをしっかり表現できていて、かなりいい表情だと思います。体勢もx軸y軸に平行というものではなかったので勢いを感じられました。
このように女性を中心に配置する構図は珍しいと思います。この行灯では寒色(男性の服・龍・滝)の中に暖色(女性の着物)、また戦いの迫力の中に美しさというように、複数の意味でワンポイントのように見えたので、よかったです。

龍は、胴体が細いかつ顔が上にあるので、支柱や電飾が大変そうですが、成功していたと思います。3-6は事前に3DCGで支柱を制作していたとのことなので、それが大きな要因なのかもしれせん。顔が凝っていて迫力があるのですが、後ろの滝の青と色が被ってしまい、少し見にくくなってしまっていたのが勿体なかったです。

あとは、滝や炎のところでのロウの使われ方がとても効果的でした。特に裏面のクオリティがとても高く、今年1番だと思います。めちゃくちゃ綺麗でした。個人的な話になるんですが、僕が3年生で滝を作ることになったときに、このように青、水色、ロウ…と繰り返すような滝を作りたかったので、こういった作品がでてきて嬉しいです。

正面から見たときに、3-5と比べるとやはり色ムラがあるように感じてしまうので、そこがなかったら大賞も狙えたと思います(行列の順番的にも3-5の後なので…)。
甲乙人
大賞は惜しくも逃してしまいましたが、OBOGの間でも3-5と3-6のどちらが大賞かで割れていました。そのくらい素晴らしい行灯だったと思います。
まずは顔!とても迫力があります!睨みつける表情が素晴らしいです。赤い隈取も上手くいっていると思います。髪の流れもとても上手いです。顔は大きさも位置も角度も今年一番よかったかなと思います。
男の肩にあるイチョウの柄、ちょっと目立たない位置にあるのですが、めちゃくちゃキレイで感動してしまいました。ぼかしがとても上手いですね!他の柄もとても上手いのですが、この柄は別格で上手いと思います。
後ろ側の岩が段々になっているところ、地味ですがこういうの好きです。狭い奥行きの中でも妥協しない姿勢が見て取れました。
そして左下の波が素晴らしい!行灯行列のときは担いでいる人の頭ですこし隠れてしまっていますが、一般公開日に見つけたときは「おおっ」と思ってしまいました。水しぶきの躍動感がよく表現された針金・色塗りになっていると思います。素晴らしい。けっこう入り組んでいるので紙貼りも大変だったのではないでしょうか?
色ですが、肌色の色ムラが気になってしまいました。この行灯の構図だと、肌色以外は最悪ムラがあっても問題ないとは思うのですが、肌色もムラがあると、人以外の物体との差があまりわかりづらくなってしまいます。もうちょっと色を薄くしたら塗りやすくかつ他と差別化できてよかったかもしれません。龍の頭部もそうですね。正面から見たときに龍の角と後ろの岩、龍の頭と後ろの滝にそれぞれ色が被ってしまっていてあまり龍が目立っていなかったのがもったいなかった。
大賞と銀賞もそうですが、この行灯はとてもロウを上手く使っているので、最近はロウを上手く使えるかどうかで受賞できるかが変わってくる気がします。
点数も評判も僅差だったので大賞が取れなくて悔しかったかもしれませんが、素晴らしい行灯だったと思います。金賞、おめでとうございます!