2017/06/17 (Last Update: 2017/06/19) 編集履歴
※この記事は未完成です。まだ書いていないところ等は随時更新していきます。
66th3-6、2016年灯雪会で龍を担当していた保証人です。
作り方というよりは、考察のような形で書いたつもりです。
ギャラリーのページを見てもらえれば分かる通り、龍を取り入れた行灯が行灯大賞や金賞を受賞する例も多いです。
また、題材の中では人気もあり、1度は誰もが作ってみたいものかなと思います。
それでは以下、龍について考えていきたいと思います。
やはり何と言っても迫力を生み出すことができます。龍が1体いるだけで全然違うと思います。
龍の胴体は、他の要素を配置した時にできてしまう空間を埋める役割を持ちます。また、胴体の長さや太さも空いたスペースに合わせて不自然にならない程度に比較的自由に決められます。
龍と言えばこの色、というイメージは人によって違うと思うので、他の生き物より自由に配色を決められるのではないかなと思いました。他に要素として炎を取り入れる場合は、龍の色を赤以外にしたり、水を取り入れる場合は、青以外にしたり等です。
デザインは、顔や、胴体のうろこの部分についてです。ここは、空想上の生き物という利点を活かしていくらでも工夫ができる箇所なので、デザイン班の腕の見せ所だと思います。
調べてもらえれば分かると思いますが、圧倒的に伝説が多いです。
日本に限らず、世界各地の伝説が残されているので、調べてみる価値は充分にあると思います。
ほとんどこれに尽きると思います。
はじめにも書きましたが、毎年沢山のクラスが作る題材なので、高いクオリティが求められます。
また、龍だと誰もが見て分かるように制作しないと、蛇など他の動物に間違えられる可能性があります。
難易度が高い原因の1番は、顔の針金にあると思います。
メリットの所でも書きましたが、デザインは比較的自由に決めることができます。
具体的にどのような決める箇所があるのか考えてみました(すべてを作らなければならないというわけではないです)。
-顔
-目
-目玉
-目の上の毛
-鼻
-鼻から目にかけてのコブ
‐口
-舌
-歯
-口の周りのトゲ
-ひげ
-角
-耳
-手
-爪
-指
-玉を持たせるか
-腕
-胴体
-うろこ(うろこにしなくてもいい)
-腹
-背中のトゲ
-尾
これよりも考えられる箇所はあると思います。これらについて、形・色・大きさを決める必要があるので、結構作業は多くなります。
始めから針金で作る様子を画像で載せれば1番分かりやすくなると思うのですが、現段階では厳しいので、2016年灯雪会で作った龍を参考に書いていきたいと思います。すみません。
顔は、基本的に1人で作るものですが、事前に綿密な話し合いをしていて問題なさそうなら複数人で制作してもいいと思います。
また、この作り方は独自で考えたものなので、これが全てというわけではありません。僕も模索中です。
以下、赤線で示した箇所から作っていくものとします。
はじめに、口の輪郭を作ります。上顎と下顎を同じくらいの大きさにするよう心がけます。
そして、次に龍の上の部分の中心となる針金を接合します。このときに鼻やコブの部分を凹凸で表現してあげるといいと思います。あと長さが足りなくなると後々面倒だと思うので、長めにとっておくべきです。
凹凸で表現してあげた部分に今度は横方向から針金を入れます。画像が分かりにくくなってきました。
ここまで終わったら、紙を貼りやすいようにするために、横方向やコブの部分、鼻の針金を増やします。画像もそうなっていますが、#10の太金2本で龍の口を開いてあげると作業が楽です。
そして、下顎を作るために、長方形の針金をいくつか接合します。床に直接置いているので曲がっていますが気にしないでください。
このあたりで口の内部の格子を増やしてもいいと思います。
次は下顎を立体にします。
龍の顔を土台に置かない場合は、紙貼りする必要があるので下顎の裏の格子を増やしましょう。
口から顔にかけてなのですが、はじめは下のような形で作っていきます(分かりにくいので画像での説明です。例えるなら「山」という漢字の外側を線で囲んだ感じ?)
そこから徐々に口から遠ざかって首にいくにつれて形を円に近づけていきます。
適当に顔の格子も増やします。
顔が完成したら、下に書くようなパーツを付けていきます。
僕は、顔の格子を一旦作ってしまって、その後に目にしたい箇所の格子を切って、目の形に整えるという手法を取っていました。主な形は楕円でしょうか。
まず下にアーチ形で作って、耳の中心となるような針金を上に付けます。
次に、耳の内側で紙を貼れるように針金を2本足します。
最後に、正面からみて耳の外側の部分と、後ろ側に針金を足します。
円錐や三角錐、四角錐のように錐体を作って、後付けするといいと思います。
トゲは適度に多い方が凝っているように見え、迫力が出ます。
トゲと同様に、円錐を応用することで作れると思います。途中で分岐させるパターンもあります。
これもとても長い円錐を作ることで表現できます。
円錐です。口の中の位置によって大きさを変えてもいいかもしれません。
はじめに外枠を作って、楕円をいくつか入れてあげる形でいいと思います。
基本的に同じ大きさの円を大量に作って繋げましょう。胴体が曲がる部分は少し半径を大きくしてあげましょう。
過去にはうろこを針金で表現しているクラスもあります(58th3-7)。
背中のトゲは三角錐で表現できます。
凹凸が多いので、ばらつきが出ないように全体を光らせる必要があります。支柱が入れにくいので飛ばしが多くなると思います。角や舌の内部には電球を入れていいと思います。また、目の部分に電球を配置してしっかり光らせましょう。
1番厄介なのは、ひげです。普通使うような電球はひげの細さだと入らないと思います。顔にひげをくっつけて、そこの紙を貼らずに内側の電球から光をもらう形にしてもいいと思いますが、ひげの長さや、表現が制限されることを考えると、テープLEDを使うのがベストだと思います。テープLEDについては材料ネット最安値に詳しく書かれています。
余裕があったら指1本1本に小さい電球を入れて光らせたいです。難しそうだったら、手のひらの内部に数個配置することになると思います。60th3-9は爪にまで電球を持ってきています。
上下や左右に交互に電球を付ければ問題なさそうです…と書こうとしたのですが、61st3-3の画像を見ると複雑に配置されているので、単純な直線の支柱以外は一筋縄ではいかない気がします。
先塗りする場合は、そのままその紙を貼っていくだけでいいと思うのですが、後塗りする場合は、より力強く、綺麗に見せるために、次のような手法を使うといいと思います。
-上顎の表面にある鼻の後ろのコブは、コブの上部に向かうにつれて色を薄くする(光が当たって立体的に見えるようなイメージ)。
-目の上の毛・口の周りのトゲは、中心部分から両端にいくにつれて色を薄くする。
-ひげは、中心に長い濃い目の線を入れる。
-境目を明確にさせるために、口の周りに黒い線を引く。
-口の中に黒い線を入れるときは、その隣接する外側の部分を白抜きする。ロウを使ってもいいかも。
-顔の表面で、墨でしわのようなものを描くときは、そのしわの周辺の色を若干薄くする。
-歯の根元部分を少し黒くする。
2008年の竹浪比呂央さんの「蓬田村伝説 金光上人と阿弥陀川」 に登場する龍がここでの理想に近いです。
手のひらが見えるようになる行灯は、その表面の凹凸によって色の塗り方を変えるといいです。先程の顔のコブの塗り方と同じで、出っ張っている部分を薄め、引っ込んでいる部分を濃い目にします。関節には墨で線を入れましょう。これも竹浪さんの龍の見てもらえれば分かると思います。
胴体を先塗りのうろこで貼っている場合、腕にもそれを貼るとサイズが合わなくなると思います。なので、腕は単色にする・小さめのうろこを用意するというように工夫が必要となってきます。
うろこにする場合は先塗りになると思います。柄合わせが大変です。僕の記憶ではうろこを後塗りで行なったクラスはないです。後塗りの代表例は67th3-1でしょうか。
胴体の色塗りは色々な表現が考えられると思うので、ここは各クラスで工夫してほしいです。
題材の中でも龍の難易度は高い方だと思いますが、その分沢山のメリットを期待できます。
この記事を読んで少しでも龍の制作に興味を持ってもらえたり、参考にしてもらえると嬉しいです。
(この記事には、灯雪会メンバーの方が助言してくれた箇所もあります。この場でお礼申し上げます。)
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